症状から知る2026-03-13Carelogy編集部

猫の黄疸:皮膚や目が黄色い時の原因・検査・治療法

猫の黄疸(皮膚・白目・歯茎が黄色くなる)の原因を解説。肝臓病、溶血性貧血、胆管閉塞の見分け方と治療法を紹介。

猫の健康チェック
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結論:猫の黄疸は緊急サイン——48時間以内の受診が必要

猫の皮膚、白目、歯茎、耳の内側が黄色く見える場合、それは黄疸(おうだん)です。黄疸は「ビリルビン」という物質が体内に溜まることで起こり、深刻な病気のサインです。 黄疸の見つけ方: - 耳の内側(毛が薄く黄色がわかりやすい) - 白目(強膜の黄染) - 歯茎(ピンクではなく黄色味を帯びている) - 肉球(白い猫・薄い色の猫で確認しやすい) - お腹の皮膚(毛の薄い部分) 黄疸の3つの原因カテゴリ: | 種類 | 原因 | 特徴 | |------|------|------| | 肝前性(溶血性) | 赤血球が壊れすぎる | 貧血+黄疸 | | 肝性 | 肝臓の障害 | 元気消失食欲不振+黄疸 | | 肝後性(閉塞性) | 胆管の詰まり | 腹部膨満+黄疸 | 緊急度: 黄疸がある猫は48時間以内に受診してください。特に急にぐったりした場合は即日受診が必要です。

黄疸を引き起こす具体的な病気

肝臓の病気(最も一般的): - [肝リピドーシス(脂肪肝)](/ja/columns/cat-liver-disease): 猫で最も多い黄疸の原因。2〜3日間の絶食で発症リスク。肥満猫が食欲不振になった時は要注意 - 胆管炎/胆管肝炎: 細菌感染による胆管の炎症。発熱+黄疸+食欲不振 - [FIP(猫伝染性腹膜炎)](/ja/columns/cat-fip): ドライタイプで肝臓が侵されると黄疸 - 肝臓腫瘍: リンパ腫など。高齢猫に多い 血液の病気(溶血性): - 免疫介在性溶血性貧血(IMHA): 自己免疫で赤血球が破壊される。急性で危険 - [FeLV(猫白血病ウイルス)](/ja/columns/cat-felv-fiv)感染: 貧血の原因に - タマネギ・ニラ中毒: 猫に有毒な食品を食べた場合 - ヘモプラズマ感染: ダニ媒介の血液寄生虫 胆管の閉塞: - 胆石: まれだが猫にも発生 - [膵炎](/ja/columns/cat-pancreatitis): 膵臓の腫れが胆管を圧迫(三臓器炎症候群) - 腫瘍: 胆管や十二指腸の腫瘍が胆汁の流れを妨害
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動物病院での検査と診断

黄疸の原因を特定するために、複数の検査が必要になります。 | 検査 | 目的 | 費用目安 | |------|------|----------| | 血液検査 | ビリルビン値、肝酵素、貧血の程度 | 5,000〜15,000円 | | 血液塗抹検査 | 赤血球の形態、寄生虫の有無 | 2,000〜5,000円 | | 腹部超音波 | 肝臓・胆嚢・胆管の状態 | 3,000〜10,000円 | | レントゲン | 肝臓の大きさ、腫瘤の有無 | 3,000〜8,000円 | | FeLV/FIV検査 | ウイルス感染の有無 | 3,000〜8,000円 | | 尿検査 | ビリルビン尿の確認 | 2,000〜5,000円 | | 肝臓の細胞診/生検 | 確定診断(エコーガイド下で実施) | 10,000〜30,000円 | 検査結果の読み方: - 総ビリルビン > 2.0 mg/dL: 黄疸が目に見える - ALT/AST上昇: 肝細胞の障害 - ALP/GGT上昇: 胆管系の問題(閉塞性黄疸を示唆) - PCV(赤血球容積比)低下: 溶血性黄疸を示唆 緊急性の高い検査結果: - PCV 15%以下(重度の貧血→輸血が必要な場合も) - ビリルビン10 mg/dL以上(重度の黄疸) - 血小板減少+貧血(DIC=播種性血管内凝固の可能性)

原因別の治療法と費用

肝リピドーシス(脂肪肝)の治療: - 経鼻/食道チューブで強制給餌(最も重要な治療) - 肝臓サポートのサプリメント(SAMe、シリマリン) - 入院:5〜14日間、費用10〜30万円 - 早期治療で回復率60〜80% 胆管炎の治療: - 抗生剤(アモキシシリン・クラブラン酸など)4〜6週間 - 利胆薬(ウルソデオキシコール酸) - 費用:月1〜3万円 免疫介在性溶血性貧血(IMHA)の治療: - 免疫抑制剤(プレドニゾロン+シクロスポリン) - 重症時は輸血 - 入院治療:5〜15万円 - 継続投薬:月5,000〜15,000円 胆管閉塞の治療: - 原因除去の手術(胆嚢切除、ステント留置など) - 手術費用:10〜40万円 - 膵炎による場合は内科治療で改善する可能性 [ペット保険](/ja/columns/cat-insurance-guide)の重要性: 黄疸の治療は高額になりやすいため、保険加入をおすすめします。

自宅でのケアと黄疸の猫のサポート

黄疸の治療中や退院後の自宅ケアは、回復を促進し再発を防ぐ上で極めて重要です。 肝リピドーシス回復期のケア(最も重要): - 退院後も経管栄養(シリンジフィーディング)が必要な場合がある。獣医師に正しいテクニックを教わる - 自発的な食欲が戻るまで辛抱強く対応。食事を無理強いしない - 食欲回復のコツ:ウェットフードを少し温める、いくつかの味を試す、静かな場所で食べさせる - 少量頻回の食事(1日4〜6回)で消化器への負担を軽減 - 食事量をCatsMeに毎日記録し、回復の推移を追跡 胆管炎の長期管理: - 抗生剤は獣医師の指示通り4〜6週間完遂(症状が改善しても中止しない) - ウルソデオキシコール酸(利胆薬)は長期投与が必要なことが多い - 食事管理:消化しやすい高品質タンパクの食事を維持 - 定期的な血液検査で肝酵素の推移をモニタリング 溶血性貧血の在宅管理: - 免疫抑制剤の投与を忘れずに(CatsMeの投薬リマインダーを活用) - 歯茎の色を毎日チェック(正常はピンク。白くなったら貧血悪化のサイン) - 激しい運動を制限(酸素運搬能力が低下しているため) - 定期的な血液検査で貧血の改善を確認 自宅での黄疸モニタリング方法: - 耳の内側:最も黄疸が確認しやすい部位。自然光の下で確認 - 歯茎:唇を軽くめくって色を確認(ピンク→黄色は悪化サイン) - 白目:明るい場所で目の白い部分の色をチェック - 写真記録が非常に有用。CatsMeで毎日同じ条件で撮影し、色の変化を比較 獣医師へすぐ連絡すべき危険サイン: - 黄疸の再出現・悪化 - 食欲の完全な消失 - 嘔吐や下痢の悪化 - ぐったりして反応が鈍い

年齢別の黄疸の原因とリスク

黄疸を引き起こす疾患は猫の年齢によって異なる傾向があります。年齢に応じた原因の可能性を知ることで、より迅速な診断と治療につながります。 子猫・若い猫(3歳未満): - 新生児の溶血:母猫と血液型不適合による溶血(特にB型の母猫からA型の���猫) - [FeLV感染](/ja/columns/cat-felv-fiv):免疫介在性溶血性貧血の原因に - 先天性門脈シャント:肝臓をバイパスする血管異常。黄疸と発育不良 - 中毒:タマネギ、ニラ、アセトアミノフェン(タイレノール)による溶血 - 寄生虫:重度のヘモプラズマ(血液寄生虫)感染 成猫(3〜10歳): - 肝リピドーシス(脂肪肝):この年齢層で最も多い黄疸の原因。肥満猫が食べなくなった時に好発 - 胆管炎:猫に特有の肝臓の炎症性疾患。急性と慢性がある - [膵炎](/ja/columns/cat-pancreatitis):胆管と膵管が合流する猫の解剖学的特徴から、膵炎が胆管に波及しやすい - 三臓器炎症(Triaditis):肝臓・膵臓・小腸の同時炎症。猫特有の疾患 シニア猫(10歳以上): - 腫瘍:肝臓がん(原発性・転移性)、胆管がん、リンパ腫 - 胆管閉塞:胆石、腫瘍、瘢痕組織による胆汁の流れの遮断 - 慢性肝炎:長期にわたる肝臓の炎症 - [FIP](/ja/columns/cat-fip)の非効出型:肝臓を侵す型は黄疸を引き起こす - 薬剤性肝障害:長期投薬(NSAIDsなど)による肝臓ダメージ 品種別のリスク: - ペルシャヒマラヤン:先天性肝疾患のリスクがやや高い - シャム:アミロイドーシス(肝臓にアミロイドが蓄積)の好発品種

予防と長期管理:肝臓を守る生活習慣

黄疸の再発を防ぎ、猫の肝臓を長期的に健康に保つための生活習慣と管理戦略です。 肝リピドーシスの予防(最重要): - 猫を2日以上絶食させない — これが最も重要な単一の予防策 - 環境変化(引っ越し、新しいペット、家族の変化)時は食欲を特に注意深く観察 - 肥満の猫は脂肪肝リスクが最も高い。計画的な減量プログラムで適正体重へ - 急激なダイエットは逆に脂肪肝を引き起こす!体重減少は週に体重の1〜2%まで 肝臓に優しい食事管理: - 高品質のタンパク質を主体とした食事(肝臓のアミノ酸代謝をサポート) - 猫に有毒な食品を厳格に排除(特にタマネギ類) - 新鮮な水を常時提供し、十分な水分摂取を促進 - 肝臓サポートのサプリメント(SAMe、シリマリン)は獣医師の指示のもとで 薬物による肝障害の予防: - 人間用の薬は絶対に猫に与えない(特にアセトアミノフェン、イブプロフェン) - 長期投薬中は定期的な血液検査で肝酵素をモニタリング - サプリメントも含め、新しい薬を始める前に獣医師に相談 定期的なスクリーニング検査: | 年齢 | 推奨頻度 | 内容 | |------|----------|------| | 1〜6歳 | 年1回 | 一般血液検査(肝酵素含む) | | 7〜10歳 | 年1〜2回 | 血液検査+腹部超音波 | | 10歳以上 | 年2回 | フルパネル血液検査+画像診断 | CatsMeで肝臓の健康を守る: 毎日の食欲、元気度、体重を記録し、微妙な変化を早期にキャッチ。特に食欲が2日続けて低下した場合はアラートが出る設定にしておくと安心です。

予防と早期発見のポイント

黄疸の予防=原因疾患の予防: 肝リピドーシスの予防(最も重要): - 猫を2日以上絶食させない。これが最大の予防策 - 特に肥満の猫が食べなくなったら即受診 - ストレスや環境変化で食欲が落ちた時も注意(引っ越し新しい猫の導入など) - CatsMeの食事記録で食欲の変化を日々モニタリング 溶血の予防: - 猫に有毒な食品を絶対に与えない(特にタマネギ、ニラ、ニンニク) - FeLV予防のためのワクチン接種 - ノミ・ダニ予防(ヘモプラズマ感染予防) 早期発見のコツ: - 週1回、耳の内側と歯茎の色をチェック(正常はピンク色) - 食欲の変化に敏感になる - 元気がない+食べない → 黄疸の初期サインかも - 年1回(7歳以上は年2回)の血液検査で肝酵素チェック CatsMeで異変を早期発見: AIが毎日の表情を分析し、元気消失や食欲不振のサインを検出。黄疸は発見が遅れると致命的になるため、日頃のモニタリングが命を守ります。
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よくある質問

参考文献・出典

本記事は以下の獣医学団体・大学・公的マニュアルの公開情報をもとに、Carelogy編集部が要約・整理しています。

  1. MSD Veterinary Manual. Hepatic Lipidosis in Small Animals (2023).
  2. Cornell Feline Health Center. Liver Disease in Cats — Feline Health Topics (2017).
  3. WSAVA Liver Diseases Standardization Group. WSAVA Standards for Clinical and Histological Diagnosis of Canine and Feline Liver Diseases (2006).
  4. American Association of Feline Practitioners (AAFP). AAFP Feline Retrovirus Testing and Management Guidelines (2020).
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